baby blue

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2016年下半期 鑑賞記録

相変わらず全然感想書けてませんが、2016年は劇場での映画鑑賞本数は自分史上過去最多だったんではないかと思います。以前は名古屋まで行かないと観られないものが結構あったんですが、今は有り難い事に観たい作品は浜松のシネマイーラで8割方上映してくれます。シネマイーラで上映しないものは静岡市にあるシネギャラリーでうまいことカバーできるので、この2館に感謝しきりです。

でも今年はものすごく心に響く作品があまりなかったと言うか、どれも「良かった」とは思うものの、この先もずっと大切にして行きたい作品にはあまり巡り会わなかった気がします。ただこれはおそらく個人的な問題だと思うんですよね。他の方の感想やSNSなどを見ていても、2016年は豊作だったのは間違いないと思うので。

そんな中でも特に良かった作品を挙げるなら、裸足の季節、ブルックリン、ルーム、でしょうか。普段アニメーションは観ないのですが、ソング・オブ・ザ・シーも良かったな。どうしても1年を振り返ると後半に観た作品の印象が強くなってしまいますね。

と言う訳で本来ならベスト10とか書くのかもしれませんが、とりあえず2016年後半の鑑賞記録。

 

7/1 グランドフィナーレ◆
7/2 マジカルガール◆
7/9 好きにならずにいられない★
7/10 オマールの壁★
7/17 エクスマキナ
7/23 アイヒマンショー◆
7/29 ミラクル・ニール!◆
7/31 シチズンフォー◆
8/6 いしぶみ
8/7 ブルックリン★
8/27 シングストリート◆
9/2 教授のおかしな妄想殺人◆
9/3 帰ってきたヒトラー
9/9 X-MEN:アポカリプス
9/10 或る終焉◆
9/16 裸足の季節
9/17 シン・ゴジラ
9/23 スーサイドスクワッド◎
10/21 スタートレック ビヨンド◯
10/22 エイミー◆
10/23 トランボ ハリウッドに最も嫌われた男◆
10/29 奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ◆
10/30 ブリジットジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期◎
11/4 インフェルノ
11/12 PK ピーケイ◎
11/18 高慢と偏見とゾンビ
11/19 ソング・オブ・ザ・シー 海のうた◆
11/26 太陽のめざめ◆
12/2 リトル・ボーイ 小さなボクと戦争◆
12/9 グッバイサマー◆
12/10 ヒップスター★
12/16 ウィー・アー・ザ・ベスト!★
12/17 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
12/22 歌声にのった少年◆
12/23 ベストセラー 編集者パーキンスに捧ぐ◆
12/24 ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー◎

◆=浜松シネマイーラ ★=静岡シネギャラリー ◎=TOHOシネマズ ◯=ユナイテッドシネマ豊橋18

ルーム(ネタばれです)

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6月24日、浜松シネマイーラにて。個人的に2016年上半期ベストの作品です。

ブリー・ラーソンは「ショート・ターム」を観たことがあったのですが、この作品で若くしてオスカーを穫ったのには驚きました。けれど、実際に観てそれにも納得。母親として、我が子に部屋の外で人生を歩んで欲しいと言う決死の覚悟での作戦。失敗すれば、2度と我が子には会えないかもしれないと言う、ジャックが部屋から連れ出されて行き扉が閉ざされる時の表情、そして救出されてパトカーにいる息子を必至で呼ぶ表情に圧倒されました。

しかしこの脱出までの緊迫感溢れる前半から一転、部屋から脱出をして、それからの人生も母親である彼女には厳しいものだったのですね。外の世界に出た事のないジャックが子供ならではの柔軟性故か意外とスムーズに順応して行くのに対し、彼女の7年間は想像以上に重かったのだと言う事が、観ていて感じられました。

子役のジェイコブくんの演技も勿論素晴らしかったけれど、ウィリアム・H・メイシー演じる父親や祖母の再婚相手のレオなど、脇を固める大人たちもそれぞれの立場での苦悩や気遣い等が見て取れ、実際はドラマのように娘が帰って来て大団円、と言う風には行かないのだと痛感しましたし、「その後」が描かれている所がこの作品の素晴らしい部分なのでしょうね。

実際に起こった事件をモデルにしていることもあるしあまり見返したいタイプの作品ではないですが、とても心に響く作品でした。

Damien Rice 六本木EX THEATER 2016.6.6.

遂にこの日がやってきました。私が彼の音楽を知ってから10年(!)。2007年のフジのドタキャン、そして在英時はライブがなくて、私の生涯で彼のライブを観る事はないのではないかと思っていました。

でも!ついにその日が!来たよ!ダミアン!!!どきどきしながら新幹線へ乗り込み、六本木へ。この時点でもまだ疑っている私。フジは相当なトラウマ(→前夜祭 - baby blue)のようです。

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余談ですが六本木って過去2回くらいしか来た事ないんですけど、まず品川から電車乗る時に迷ったよね…。
そして初のEXシアターは、すごく洗練された場所でした。ちなみに席は真ん中よりは前の方だったのですが、一番端っこだったので私の席からはステージまでは結構距離感ありました。

開演時間を20分程過ぎた頃でしょうか、ようやくスタート。あ、ステージにいる!いるよ!!!!!!!この時点で「神様ありがとう…」って気持ちになりました。

1曲目は「Older's Chest」。もう最初のギターの音で既に胸がいっぱいになってしまいました。自分が散々CDで聴いて来た曲が目の前で演奏される事がただただありがたく、そしてその曲が素晴らし過ぎてただただその音楽に浸っていました。

あとすごくビックリしたんですが、1人でギター弾きながらも色んな音を出してたのが素晴らしかったです。1人と言う事を忘れてしまうくらい、音圧も重厚で、様々な音を聴かせてくれました。なんて器用なんだ。私は彼がLisa Hanniganと一緒にやってた頃の印象がとても強いので彼女なしでどうなるんだろうとちょっと心配だったのですが、ループを使って自身の声を重ねて行く方法で紡がれるコーラスを聴いて、そんな心配はあっさり杞憂に終わりました。

新しいアルバムは来日が決まってから聴き込んだのですが、その中で一番好きな「Long Long Way」をやってくれて嬉しかった。アルバムの最後を飾るのにすごくふさわしい曲で、ライブではどこで演奏してくれるのかなと思っていたのですが、意外と早い段階で披露してくれました。そして個人的ハイライトはこの後の「Cold Water」。やっぱりこの曲で彼を知ったので思い入れが強いのです。音源で聴くよりも数倍素晴らしくて、この日この瞬間この場所にいられてこの曲を聴いている事にただただ感謝しかありませんでした。勿論他に好きな曲もたくさんあるのですが、この曲が聴けただけで私の目的の半分は達成された気分。この「Long〜」から「Cold Water」の流れが最高でした。

この後ステージ上でワイン飲んだり、観客をいっぱいステージに上げてコーラスやらせたりと、ライブ前に抱いていた「孤高のSSW」的なイメージはいい意味で裏切られました。MCは下ネタ炸裂していたし、すごい気難しくて繊細なイメージがあったんですが、ライブでは意外とくだけていてギャップがありましたね。面白かったです。

 しかしやっぱりこの日も最後まで観られず途中で泣く泣く帰る羽目になってしまいました…。「Rootles Tree」が聴けなかったのが残念過ぎる。 正直終わって数日はちゃんと次の日休みにしなかった自分のアホさ加減に落ち込んでいたのですが(洋楽のライブって早く終わるものが多かったので油断してた!)、今となってはそんな事もどうでも良くなる位素晴らしいライブだったので、この機会が与えられた事にただただ感謝。

次はこんなに待たせないでまた来日して欲しいな…。

セットリスト

  1. Older Chests
  2. Delicate
  3. My Favourite Faded Fantasy
  4. 9 Crimes
  5. The Professor & La Fille Danse
  6. Colour Me In
  7. Long Long Way
  8. Cheers Darlin
  9. Volcano
  10. Cannon Ball
  11. Elephant
  12. Eskimo
  13. It Takes a Lot to Know a Man

アンコール1

  1. Rootles Tree
  2. The Blower's Daughter

アンコール2

  1. Amie
  2. I Don't Want to Change You