baby blue

music / film / miscellaneous

誰も知らない

やっと見てきました。見るまで加瀬亮寺島進が出てるの知らなくて、ちょっと驚きつつ。
是枝裕和監督の作品はすごく好きで、今回もかなり期待して見ました。さすがドキュメンタリー出身の是枝氏らしく、話は淡々と進んでいきました。それにしても驚いたのは子供たちの演技がとても自然だと言うこと。表情やセリフひとつとっても、ものすごいリアルでした。誰の視点からも描かれておらず、客観的な視点で作られているので、余計な感情移入をすることなく見ることが出来るのですが、その分子供たちの母親を求める気持ちがすごく伝わってきて痛々しかったです。
当たり前のことが許されなかった子供たちが悲し過ぎる。4人で楽しそうに遊んでいる時の笑顔がすごく突き刺さりました。最後は希望も絶望もなく、ただまたこの日々が続いていくんだろうという感じで。


主演の柳楽優弥くんは、すごく印象的な目をしていて、すごい存在感でした。この役は彼以外はちょっと考えられない。カンヌで賞を取ったのも納得の演技でした。


ちょっと涙腺緩むとこあったけど、泣くまでは行きませんでした。ただ、ずっしり重くのしかかる映画でした。
何が正しくて何が間違ってるとか言う価値観の押し付けもないので、つまらない人はつまらなく感じるかもしれません。見た人の手にこの映画の解釈は委ねられている気がします。それがまたこの作品の良さであり、残酷なところかも。う〜〜ん、ちょっと今しんどいです。
★★★★☆ 4