baby blue

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ロード・オブ・ドッグタウン

今更ですが感想。これ予想外にものすごく良かった!私はスケートボードには全く興味がありませんし知識もありませんが(Z-BOYSと言う単語すら知らなかった)全く問題なし。所謂青春を描いた映画としてはかなりの良作だと思います。
まず役者が主役3人をはじめ、みんなクセがあって良かった。あの年頃の危うさやどっちに転ぶか分からない不安定さをあそこまで演じ切れるのはすごい。あとヒース・レジャーとかめちゃ胡散臭くて笑えた。音楽も疾走感のある映像とすごく合っていて良かった。カメラワークも良いし、脚本もいい。展開が早くて全く中だるみなし。あとひとつひとつの場面がすごく絵になる。綺麗だった。全てがぴったり噛み合った感じで、見始めてすぐその世界に入り込んでしまった。
最後はそう来るか・・・って感じで、思わず号泣。あー、もう本当に素敵な映画を見た!と言う満足感でいっぱいになりました。本当に見て良かった。もう最初から最後まで青春。それもものすごくキラキラした。青春って言うのは人によって定義が違うだろうし、ひとつに括るのは難しいけれど、その世代だけに許されるひたむきさや馬鹿さや純粋さ、そんな成長するたびに失われていくものが、スクリーンを通して感じられてただただ眩しかった。最初は同じ道を歩いていた仲間が、三者三様の選択をしてそれぞれの道を進んで行く。青春と言うのは、その中にいるときは分からなくても、後から振り返って痛みや郷愁やいろんな感情をもたらしてくれるものだと思うんだけど、やっぱり一時期の儚い輝きが強烈であればあるほど素晴らしいんだろうし、決して二度と体験出来ないからこそいつまでも心の中に残るんだろうな。
あと今回実感したのは、青春映画ってのは歳を取ってから見るとかなり痛い。痛いですけど、多分子供の頃に見たのでは得られなかったであろう色んな感情が映画を通して得られ、そして見た後にしっかりと心に残る。これはそんな体験をさせてくれる数少ない素晴らしい映画だったと思います。青春が遠く過ぎ去った人ほど、見たらぐっと来るような気がする。
★★★★★ 5