baby blue

music / film / miscellaneous

ダウン・イン・ザ・バレー




これは何とも形容し難い内容でした。「カウボーイかぶれの男の偏愛」でもあるような「17歳の少女のひたむきで危険な恋」でもあるような「少年が殻を破る物語」でもあるような気もするし、どれも違う気もする。カンヌの「ある視点」部門出品作でもあるので、一筋縄では行かない感じ。感想を書くにも何処に焦点を置くかによって全く変わってくるので何とも書き辛いなあ・・・。
えっと、郊外の街の閉鎖的な環境、息が詰まる感じは見ていてすごくわかりました。だからこそエヴァン・レイチェル・ウッド演じるトーヴはちょっと変わった男性に惹かれたんだろうし。最初はものすごく普遍的な恋愛のように話が進むんですけど、だんだんノートンが怪しくなってくる。で、どんどん暴走して手がつけられなくなっちゃいます。
役者は全員素晴らしいです。エドワード・ノートンは、もうこのレベルの演技が普通になってるので驚きはないんだけど、でもやっぱりすごい。天然で危険な人物を見事に演じ切ってます。「悪」と言う部類の人間でタチが悪いのは、意識して悪になってる人物ではなく、無意識に悪になってる人だと思う。手のつけようがない。でもそれって演じるにはかなり難しいと思うんですけど、そんな難しい役をものにしてるのはさすがです。エヴァン・レイチェル・ウッドはかわいい!もう文句なしに素敵過ぎ。無邪気な色気と言う、この年代の少女特有であり最大の武器を存分に活かしております。キャミ+スカート+ブーツと言う組み合わせが最高にかわいかった。彼女はmiumiuのモデルにもなってるけど納得。あとは、何と言っても弟役のローリー・カルキン。マコーレー・カルキンの弟です。彼の目や表情がとても良かった!かなり内向的でありつつ、芯はしっかりしているキャラクターを見事に演じてたと思う。この面子の中において、こうも存在感があると言う事は、道を踏み外さなければ将来かなり期待できると思います。
それにしても、ノートンが惚れこんだ脚本と言うだけあって、なかなか曲者な感じ。チラシの爽やかなラブストーリー的な展開をずっと期待していたらあっさり裏切られますので、その辺は見る前に予備知識として入れて行った方がいいと思うな。
★★★☆☆ 3.5