baby blue

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青い棘



1927年にドイツで実際に起きた「シュテークリッツ校の悲劇」を題材にした作品。内容に興味があったのと、グッバイ、レーニン! [DVD]ダニエル・ブリュールが出てると言うことで見て来ました。でも、実際見たら主人公パウルを演じた彼よりも、彼の親友ギュンターを演じたアウグスト・ディールのほうが印象に残った。役柄的にもそうだけど、終始何を考えてるかわからない不思議な存在感があった。
第一次世界大戦後のドイツと言うことで、全体的に退廃的、刹那的な雰囲気。ギュンターの存在がそんな雰囲気を体現してたと思う。風景もものすごく綺麗で、それが余計この映画の切なさや美しさや痛々しさに拍車をかけていた。

真の幸せは一生に一度しか来ない。一度きりだ。その後は罰が待っている。幸福の瞬間を一生忘れられない罰だ。

その時が訪れたら人生に別れを告げるんだ。自分が一番幸せな時に。

これはギュンターの台詞。自分がこういう行動をとる事はまずないけど、考え方としてはものすごく良く分かるだけに、とても印象に残った。
10代の恋とか愛とかって、真っ直ぐで余計な不純物がなくてすごい。愛によってのみ死ぬって言うのもこの年代特有の思考だと思う。傍から見ればギュンターの行動は狂気に見えるけれど、本人にとっては自分の信念、そして愛を貫いた結果。それでもやっぱりとても痛々しかった。ラストの、パウルとギュンターが仲良くはしゃいでいる場面がすごく切なかった。
★★★☆☆ 3.5