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baby blue

music / film / miscellaneous

落下の王国(ちょっとネタバレ)


名演小劇場にて。
素晴らしかった!まずこの唯一無二の世界観。映像美と衣装*1によって、全て現実の世界でのロケなのに、まるでこの世のものではないような風景。
現実と架空の話が絶妙にリンクして、何だかすごくドキドキしながらずっと肩に力が入りながら観てしまった。
この映画が素晴らしいのは、この映像美だけではないところ。ストーリーはとても単純だけれど、その中に人間の持つ苦しみや葛藤が描き出されている。人生に絶望し、生きる気力を失ってしまった青年。もがき苦しみながら、死にたくても死に切れない。5歳と言う年齢ながら、実は大きな悲しみのある少女。その2人が紡いでいくストーリー。そして、作り話の最後の心の葛藤。死んでしまえば楽だし、生きることはこの先さらに苦しみを背負うことになるのは充分判るんだけれど、それでも生きて欲しいと願ってしまった。
ラストの解釈は、監督は敢えてぼかしたそうですが、個人的には救われたと思いたい。
あと、落ちていく場面がどれも美しかった。もう1回観たいなあ…。単館系なので仕方ないけど、これはシネコンのようにスクリーンの大きな、音響のいい映画館で観たかった作品。
ちなみにこのターセムと言う監督は、R.E.MのPVなどを手掛けたそう。あと映画の最初に、スパイク・ジョーンズデヴィッド・フィンチャーの名前が出てびっくりしたんだけど、結構仲良しだそうです。あと、パラジャーノフが好きみたいで、「ざくろの色」が結構好きな私としては納得するとともにちょっと嬉しかったり。
今年観た中では個人的にかなり上位に入る作品でした。ああ、もう一回観たい…。
予告がだいぶネタバレな感じではあるんですけど、貼っておきます。(ちなみに私は予告を全く見ずに行きました。)

*1:手掛けたのは日本人の石岡瑛子さん