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観たDVD

めぐりあう時間たち [DVD]

めぐりあう時間たち [DVD]

だいぶ前に観たので詳しくは省きます。リトル・ダンサースティーヴン・ダルドリーが監督と言うので観たんですが、途中でうとうとしてしまって中断して数日かけて鑑賞してしまったのでピンと来なかった。ちゃんと集中してもう一回観たい。

サルバドールの朝 [DVD]

サルバドールの朝 [DVD]

【ネタバレです】
今年の年始に映画館でかかっていたんだけど体調不良により見逃した一本。とても重かったけれど、観て良かった。スペイン独裁政権末期と言う時代の大きなうねりに巻き込まれた一人の青年の姿に心が痛んだ。この映画の本質は、彼が受けた処罰が不当である、と言うことであり、彼が正義だと言っている訳ではないと思う。彼がしたことが全て正しいとは思わないけれど、ただその罪に対してこの罰はあり得ない。でもそのあり得ない罰が実行されることの不条理をこの監督は訴えたかったのだろう。検死結果がねじ曲げられたり、被告側の証人が認められないなど、どう考えても公平に行われなかった裁判で出された判決。自由がない世界、ひとりの独裁者によって人の命が軽く扱われる時代。そんな時代が、まだ過去のものではない国は今日でもたくさんある。スペインと言う国は今でこそ民主主義によって成り立っているけれど、それは自由を求めて行動を起こしたサルバドールのような若者がいたからこその結果。ただこの作品は彼を英雄的に崇めるのではなく、彼の罪も、恋に悩む等身大の姿もきっちりと、そして淡々と描いている。犯した罪は決して軽くはないけれど、それが死に値する程の罪だったとは思えないし、彼だって反政府運動に身を投じる前はどこにでもいる普通の若者だったのだ。だからこそ、彼のような犠牲者がまた生まれる可能性がどの国にも潜んでいると言うことの恐ろしさも感じたし、自分の住む国がそうならないで欲しいと願わずにはいられなかった。圧倒的な力の前には真実も正しさも意味を成さない。正義とは、政治とは、人間とは、行動とは、自由とは一体何なのか?様々な考えが頭の中を駆け巡ってしまいました。これは実際に起こった出来事であり、しかもそんなに遠い時代の話ではなく関係者も生きている。だからこそこの作品を創ったことに意味があったのだろう。
ちなみにダニエル・ブリュールはドイツ人なのに何でスペイン映画?と思ったら、彼は生まれはスペインで母親がカタラン人だそうです。なるほど。にしても彼の作品選びを見ていると、政治的な意識と言うか、そう言うのが強い俳優さんなのかなーと思った。どの作品も観る度考えさせられるし自分の無知っぷりを思い知らされます。