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ショート・ターム(ネタばれです)

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ティーンエイジャーをケアする短期保護施設で働くグレイス(ブリー・ラーソン)と、同僚でボーイフレンドのメイソン(ジョン・ギャラガー・Jr)。子供が 出来たことをきっかけに、2人の将来はささやかながら、幸せなものになるかと思われたが……。誰にも打ち明けられない深い心の闇を抱えるグレイスと傷つい た子供たちの未来は……?

                    

ショート・ターム | Movie Walkerより

 

1月10日、浜松シネマイーラにて。

この作品、全然知らなかったんですが、映画館に置かれていたフライヤーがとても好きで、私の中でフライヤーが好みの映画って本編も好きな事が多いので、これは絶対観たいと思っていた作品。

主人公グレイスが働く施設にいる子供たちはみなそれぞれ問題を抱えているのですが、シリアスながらも絶望的に暗く重たい感じになっておらず、どこか希望が抱ける作品だったと思います。

走るシーンが印象的で、かつ効果的に使われていた気がします。子供が走り出して、職員がその後を追いかけるシーンがあるのですが、そのシーンがすごく好きです。あと主人公のグレイスが自転車を漕いで夜の街を走るシーンなど、「走る」と言う行為に感情の高まりや爆発が重ねられているような気がしました。

また心にずしっと来たのが、ジェイデンと言う少女が描いた「タコのニーナ」のお話。言葉では伝えられないジェイデンの苦しみや絶望が表されていてやり切れない悲しい話でした。実は彼女は父親から虐待を受けており、グレイスは彼女を助けようと奔走します。1人の職員が1人の生徒の為にここまで尽力するのはとても稀だと思うのですが、同じような体験をした彼女だからこそジェイデンの苦しみが深く理解出来たのだと思いました。

施設にいる子供たちは様々な問題を抱えているけれども、それを見守る大人側にも様々な事情があり、葛藤していると言う事を傍観者のような目線で淡々と描いているのですが、だからこそ観客が色々と考える余地を与えてくれる映画だと思いました。