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ラブストーリーズ コナーの涙/エリナーの愛情(ネタばれです)

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5月23日、静岡シネギャラリーにて。エリナーの愛情と、どちらを先に観ようか迷ったのですがネットで「コナーの涙」が先の方が良いと言う意見が多かったので、「コナーの涙」→「エリナーの愛情」の順番で観ました。本当は2日連続くらいの間隔で観たかったのですが、都合により2作品通しての鑑賞になりました。

 

「コナーの涙」

ジェームズ・マカヴォイのコナー視点で物語が進行するので、どうしても彼に感情移入して観てしまいました。コナーはできるだけエリナーの事を考えて行動しているように見えたので、エリナーの行動がどうしてそんなに冷たいのか理解に苦しみました。

あとエリナーと別居した後も未練ありまくりで、大学の講義にまで行くのはちょっとストーカー気味で嫌だなあと思ったのですが、マカヴォイだと許せてしまう不思議。結局なんだかんだと葛藤してはいて、彼なりにベストを尽くしているつもりなのでしょうが、エリナーの求めているものとはちょっとズレている感じ。やはり夫婦と言えども元は他人な訳で、相手の考えている事を理解するのは不可能に近いのではないかと思わされました。

結局こちらだけでははっきりとせず、もやっとしたまま終了。

 

「エリナーの愛情」

続いてこちらを鑑賞。

コナーのほんの些細な行動で気持ちがどんどん離れて行くエリナー。現実ってそうだよなあと、描写が的確ですごいなあと思いました。最初はちょっと「ん?」と思ったぐらいの事が、相手の行動によってその引っ掛かりがどんどん増幅されて行く様がすごくリアルだなと。

それにしても人間の記憶と言うのは曖昧なもので、自分の都合の良いように書き換えられて定着してしまうんですね。そこがこの作品の興味深い点のひとつだと思います。こうだったらいいな、と言う自分の心の願望が無意識に記憶を書き換えてしまうのかも。人間って本当に自分勝手な生き物でもあるのだな、と思いました。

あと、コナーの見た目はずっと一緒で行動もなんだかぐだぐだダメダメだったのに比べ、エリナーは髪をばっさり切ったりしているし、大学の講義に出かけたりして、意識的に何かを変えようとしている様子が2人の違いを如実に表している感じで興味深かったです。

それでも、2人の楽しかった思い出が共通なところにはしんみり来ました。お店から食い逃げして走ったり、公園で蛍を眺めたり。
「エリナーの愛情」の最後で少し示唆される2人の未来が、ほんのり明るいもののように見えて、少し救われた気がしました。

 また、日本では公開されていないのですが、この2本をひとつにまとめたものもあるようで、そちらも観てみたかったな。残念。

ちなみに、音楽が結構好きだったのですが、Son Luxが担当しているそうです。特に最後にも流れるこの曲。この浮遊感漂うちょっと寂しげな感じがすごく合っていました。