baby blue

music / film / miscellaneous

遠い空の下、僕は世界がめざめる音を聞いた

やっっっっっと見てきました、モーターサイクル・ダイアリーズ。半年位ずっと見たかったんですけど、何だかんだで見れなかったので。ロードムービーって基本的に苦手なんですけど、これは見に行ってほんとに良かった!以下、感想。
私はチェ・ゲバラと言う人物や、キューバ革命などについては全く無知なのでその辺りはわからないけれど、普通の青年が旅を通して変わっていく様がとても印象的でした。最初はおそらく本人もこんな旅になるとは思っていなかったんじゃないだろうか。井の中の蛙だった自分にまず気付き、そこから様々な環境の人々に出会い、感じ、学び、そして心の中に揺るぎない信念を築き上げて行く。素晴らしかったです。一番印象に残ったのは、ガエル・ガルシア・ベルナルの目がとても澄んでいて強かった事。でもきっとエルネスト本人の目はそれ以上だったのだと思う。ただ物事を見るだけでなく、そこから何かを見出す目。純粋な魂を持っていた彼だからこそ、旅の過程で自分のこれからの姿を見つけ出せたのだと思う。彼は日記や手紙を綴る時、何を思い描いていたんだろうか。革命家を描いた映画と言うと、過剰に英雄的な扱われ方をされがちだけれど、これは「エルネスト」と言う一人の青年の等身大の物語なんだと思った。「人の役に立つことがしたい」。ただその単純な思いで行動をする、その情熱がすごいと思った。こういう真摯な思いに突き動かされて行動できる人は殆どいない。だからこそこの人はこうして後世に名を残すことになったのだろうけど。私はそのエルネストの純粋さに打たれて涙が出た。映画を見ている時は勿論、終わってからもずっしりと心に残る作品でした。これはDVD買っちゃうなあ・・・。
★★★★★ 5