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The Way Back


第二次世界大戦中、ソ連にスパイの疑いをかけられ、シベリアの強制収容所に入れられたポーランド兵士。彼と、そして彼と共に決死の覚悟で収容所を抜け出した仲間たち、彼らの1年にも及ぶ自由を求めたインドへの旅を描いた実話に基づいた作品。
旅は何度か危機があるものの、比較的淡々と描かれています。でも過酷な旅の中で、きっと何度も諦めてしまいそうになった筈。それでもただ、心にあったのは望郷のみ。その想いの強さがあったからこそ、命をつなぐ事が出来たのだと思います。ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、最後の場面、彼らがようやくインドに辿り着いてから、祖国が本当の自由を手に入れるまで、どれだけ時間が必要だったのかと言うことが一瞬にしてわかる。胸が締め付けられました。しかも、それがそんなに遠い昔の話ではないと言う事にも。
ジム・スタージェス、今まではそんなに注目していた俳優ではなかったんですけど、深みのある演技ですごく良かったです。あとはエド・ハリスシアーシャ・ローナンの演じた人物の関係に心が温まりました。
原作は、スラヴォミール・ラウイッツの脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち。映画は脚色されていたり原作には登場しない人物も出て来たりする(個人的には要らなかったと思うのですけど)みたいなので、これはぜひ原作も読んでみたいです。【2011/1/9 ODEONにて】