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誰よりも狙われた男(ネタばれ) 感想

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ドイツのハンブルグで諜報機関のテロ対策チームを指揮するバッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、密入国した青年イッサをマークする。イスラム 過激派として国際指名手配されているイッサは、人権団体の女性弁護士アナベル(レイチェル・マクアダムス)を通してイギリス人の銀行家ブルー(ウィレム・ デフォー)と接触。ブルーの銀行にテロ組織の資金源である秘密口座の存在が疑われるため、バッハマンはその動向を監視していた。ドイツの諜報機関やCIA がイッサの逮捕に動き出す中、彼を泳がせることでテロ組織への資金援助に関わる大物を狙うバッハマン。だが、思いがけない事態が次々と巻き起こる……。

 

誰よりも狙われた男 | Movie Walkerより

1/31、浜松シネマイーラにて。
フィリップ・シーモア・ホフマンの最後の主演作となってしまった作品。監督がアントン・コービンと言うことで、コントロールもすごく好きな映画だったので公開を楽しみにしていました。
また原作がジョン・ル・カレで、彼の著作は読んだ事はないのですが、映画化された「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」や「ナイロビの蜂」は好きな映画のひとつなので、それも楽しみにしていた理由のひとつです。

正直序盤は少しマッタリしてるかなと思っていたのですが、いつの間にか引き込まれて、中盤から終盤にかけてはただただドキドキしながらスクリーンを凝視してしまいました。色んな人物が絡んで来て、全く先が読めない展開で最後にそう来たか…!と衝撃を受けたままでエンドロールを眺めていました。

フィリップ・シーモア・ホフマンは勿論、脇を固める俳優陣も素晴らしく、一癖も二癖もありそうなロビン・ライトウィレム・デフォーなど老獪な人物の中で、レイチェル・マクアダムスが一服の清涼剤的な役回りで、健気な感じがとても良かったです。

そしてホフマンは佇まいからしてやはりさすがと言うしかなく、あのもっさりした風貌ながらも目付きが鋭い感じがベテラン諜報部員に本当にぴったりでした。
最後の場面、やり場のない怒りをどこにぶつけたらいいのかわからない、渾身の叫びが本当に本当に悔しそうで、もう彼の演技が観られないと言うことに、やはり一抹の寂しさを感じざるを得ませんでした。そして彼の夭逝が本当に残念だと、改めて感じた作品でもありました。