baby blue

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僕の大事なコレクション


6月23日、伏見ミリオン座にて。イライジャ・ウッド演じるユダヤ系アメリカ人のジョナサンが、祖父の故郷ウクライナで人探しをするロードムービー
このジョナサンの趣味は自分の家族に関するあらゆるものを収集すること。最初は変な趣味だなーと思ってみてたんですが、その理由を聞いてとってもしんみりしてしまいました。あと、ウクライナで道案内をしてくれるアレックスのキャラが良かった。滅茶苦茶な英語を喋ってるんだけど、彼とジョナサンとのやり取りがユーモアに溢れていて和みました。それとロードムービーらしく、景色がとっても美しい。ウクライナの空気をスクリーンを通して感じる事が出来ました。一面のひまわりの場面は、それだけで涙が出そうになる位綺麗でした。
映画自体は、中盤まではゆる〜いテンポで進むんですが、その中にも放射線の看板が出てきたり戦争の跡が生々しく残っていたりと、ウクライナという国の持つ悲惨な歴史を垣間見ることができます。そして、アレックスと一緒にジョナサンと旅をしているアレックスの祖父の過去が段々とわかってきて、ウクライナの人々がナチスによって虐殺されたことを知らなかったアレックスも事実を知る事になる。しかし、祖父には隠された過去があって…。
そして、最後はかなりびっくりする出来事がありました。呆然としてしまった。でも、人は生きている限り過去を切り離す事はできないし、一生背負っていくものなんだと再認識させられた。原題の「everything is illuminated」が持つ意味が最後になってわかります。とても素晴らしい解釈だと思った。
とても重い題材だと思うのですが、所々にユーモアを交えながら全体的にあっさりした軽いテンポの作品で、何だかすっきりとした気持ちで映画館を後にする事が出来ました。地味だけど素敵な作品でした。見てよかった。
★★★★☆ 4