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music / film / miscellaneous

マイケル・ウィンターボトム

9 Songs [DVD]

9 Songs [DVD]

最新作を見ました。二人の主人公が出会って、別れるまでの物語。二人のシーンとライヴシーンとが交互に展開され、映画と言うよりはまるでドキュメンタリーを見ているような気分になります。ライヴシーンはBRMCSuper Furry AnimalsPrimal ScreamFranz Ferdinand、The Von Bondiesなどの9曲。やっぱり劇的な展開とかはないんですけど、すごくリアリティがあって良かったです。過激とか聞いてたけど、実際あんなもんじゃないでしょうか。にしても別れって辛い。
★★★☆☆ 3.5

ウェルカム・トゥ・サラエボ [DVD]

ウェルカム・トゥ・サラエボ [DVD]

ボスニア内戦を題材にした映画。戦争をテーマにした映画としてはかなり好きな部類です。一人のイギリス人ジャーナリスト・ヘンダーソンが、取材を通して知り合った少女を戦地から連れ出すと言う話。実話ベースらしいです。にしても政治家なんてほんと上っ面だけだと思った。実際戦場に行けばいいじゃん。行って怪我でも何でもすればいいのに。これはメッセージ性があるわけでは決してないけれど、戦争の悲惨さが伝わってくる作品です。実際はきっともっと悲惨なんだろうと思う。戦争では一人の人間なんてまるで紙屑のようです。ジャーナリズムも役に立たない。そんな中で、ヘンダーソンは個人として出来うる限りのことをしたのではないでしょうか。アメリカ人ジャーナリスト役のウディ・ハレルソンがいい。ラリー・フリント [DVD]を見たときも思ったけど、とても存在感のある役者さんです。にしても見終わった後かなりずっしりきます。重い。重いけど、見て良かった作品。
★★★★☆ 4

ひかりのまち [DVD]

ひかりのまち [DVD]

マイケル・ウィンターボトム監督作の中でいちばん好きな映画です。主人公のナディアがバスで家に帰る場面で何故か泣けて仕方なかったのです。バスの窓が曇っていて、外は暗くて、帰る部屋は一人きり。画面から孤独感が滲み出てくるようでした。CODE46を見たときも思ったけど、彼の撮る夜の風景、そして空気がものすごく好き。そしてマイケル・ナイマンの音楽がほんとに素晴らしい。この音楽あっての作品だと思う。そしてこの中で描かれる、取り立てて何かが起こるわけでもない淡々として乾いた日常。冷え切った冬の空気の中で、少しだけ灯る温かいひかり。とっても素敵です。見終わったときに心の中に何かが残る名作だと思います。ほんとに「WONDERLAND」なんだなあと思った。
★★★★★ 5




この監督の作品は、どこか乾いていて、そして淡々と物語が進む感じなんだけど、ぐっと引き込まれてしまう。終わった後いつもしばらくほーっとなってしまいます。空気がすごく好きなんだよなあ。うまく言えないんだけど。そして「愛」についての作品が多いです。バタフライ・キス [DVD]はいろんな意味で痛い。すごく。二人の女性の旅。愛があればそこまで出来るのかと。拒否反応を示す人はすごく示しそうな作品だと思う。乾いたイギリスの空気の中で、二人だけの世界。盲目的だけれど美しいと思いました。あと、ゴー・ナウ [DVD]も、描き方によってはものすごく重くなりそうなのに、カラッとした感じで重くならずに素敵な愛があります。
とにかくこれから先もとっても楽しみな監督さん。とことんいろんなテーマに挑戦してほしいです。あとは近所のツタヤにイン・ディス・ワールド [DVD]いつまでも二人で [DVD]をお願いだから置いてください。